最近ではデジタル表示の多機能メーターも増えていますが、私は昔ながらの「針が動くアナログメーター」が好きです。
そこで今回、GPSラップタイマー「KLAP」の開発で培った電子工作の知識を活かし、自作の電気式タコメーター製作に挑戦することにしました。
目標は、NSR50やNSF100などのミニバイクでも使用できる、高レスポンスで視認性の高いタコメーターです。
この記事では、実際の製作に入る前段階として、システム全体の構想と使用予定の部品について紹介します。
なぜ自作タコメーターを作るのか
古い2ストローク車では純正タコメーターが故障している車両も珍しくありません。
特にNSR50のような30年以上前の車両では、
メーター内部の劣化
指針のズレ
ワイヤーの破損
部品供給終了
などの問題が発生しています。
もちろん市販品を取り付ける方法もあります。
しかし、
好みのデザインにしたい
純正メーターケースを活かしたい
回転数表示のレスポンスを調整したい
電子工作の勉強を兼ねたい
という理由から、自作に挑戦することにしました。
自作タコメーターの全体構成
今回のシステムは大きく3つのブロックで構成しています。
① CDIパルスの検出と波形整形
まず必要になるのがエンジン回転信号です。
2ストローク車ではCDIやピックアップコイルから回転情報を取得できます。
しかし、この信号はそのままマイコンへ入力できません。
実際の車両では、
数十V以上の高電圧
点火ノイズ
サージ電圧
などが発生します。
そのまま接続するとマイコンが破損する可能性があります。
そこで、
抵抗による分圧
コンデンサによるノイズ除去
ダイオードによる保護
オペアンプによる波形整形
を行い、マイコンが扱いやすいデジタル信号へ変換します。
この部分はタコメーターの信頼性を左右する重要な回路です。
② マイコンによる回転数演算
整形されたパルス信号はマイコンへ入力します。
今回はArduino互換環境で扱いやすいATmega328を中心に検討しています。
マイコンは入力されたパルス間隔を計測し、
現在の回転数
回転変化量
表示補正
などを計算します。
単純にパルスを数えるだけではありません。
実車ではノイズや失火も発生するため、表示が暴れないようフィルタ処理も必要になります。
特にサーキット走行では、
急激な回転上昇
シフトチェンジ
エンジンブレーキ
が頻繁に発生します。
そのためレスポンスと安定性のバランス調整が重要になります。
③ ステッピングモーターによる指針駆動
表示部分にはステッピングモーターを採用する予定です。
一般的なアナログメーターには可動コイル方式もありますが、電子制御との相性を考えるとステッピングモーターの方が扱いやすいメリットがあります。
特徴としては、
指定角度へ正確に移動できる
再現性が高い
指針位置を保持しやすい
電子制御しやすい
といった点があります。
現在は自動車メーターでも広く使用されているX27.168系モーターの採用を検討しています。
実際に難しいのはノイズ対策
電子工作初心者が最も苦労するのはプログラムではなくノイズ対策です。
机上テストでは正常に動作していても、
実際の車両へ接続すると
回転数が飛ぶ
指針が暴れる
誤動作する
といった現象が発生します。
特に2ストローク車の点火系はノイズが強く、適切な回路設計が必要になります。
この部分は今後の試作記事で詳しく紹介する予定です。
今後の開発ロードマップ
現在考えている開発手順は以下の通りです。
パルス整形回路の試作
Arduinoによる回転数演算プログラム作成
ステッピングモーター制御実験
実車への仮組み
ノイズ対策
サーキット走行テスト
最終的には、純正メーターケースへ組み込み可能なレベルまで完成度を高めたいと考えています。
まとめ
今回のプロジェクトでは、バイクのCDIパルス信号を利用した電気式タコメーターの製作に挑戦します。
システムは、
パルス整形回路
マイコンによる演算
ステッピングモーター駆動
という構成を予定しています。
サーキット走行でも使用できる高レスポンスなタコメーターを目指して開発を進めていきます。
回路図やプログラムが完成した段階で、実際の製作過程も順次公開していく予定です。
コメント
コメントを投稿