1. はじめに:MediaTekチップの設定で困っていませんか?
市販のGPSモジュールの多くは、有名どころの「u-blox」か「MediaTek」のチップを採用しています。u-bloxは専用ソフト「u-center」で簡単に設定変更が可能ですが、MediaTek製チップは、専用ソフト「PowerGPS」を使っても設定が反映されないケースが多々あります。
本記事では、汎用通信ソフト「TeraTerm」を使用し、コマンドを直接送ることで更新レートを10Hzへ引き上げる確実な方法を解説します。
2. 事前準備
設定変更には以下のツールが必要です。
TeraTerm(テラターム): シリアル通信用フリーソフト。「窓の杜」や「GitHub」から入手可能です。
USBシリアル変換モジュール: PCとGPSモジュールを接続するために使用します。
接続のポイント: GPSモジュールの VCC, GND, TX, RX をそれぞれ接続します。
注意: 接続時は、PC側のTXとGPS側のRX、PC側のRXとGPS側のTXというように、クロス接続になっていることを必ず確認してください。
3. TeraTermの基本設定
TeraTermを起動し、[シリアル]を選択してGPSモジュールが繋がっているポートを指定します。
[設定] > [シリアルポート] を開き、速度(ボーレート)をデフォルトの「9600」に設定します。
[設定] > [端末] を開き、以下の通り変更します。
改行コード: 受信「AUTO」 / 送信「CR+LF」
ローカルエコー: チェックを入れる(自分が送ったコマンドが見えるようになります)
画面にGPSの生データ(NMEA文章)が流れ始めれば、通信成功です。
4. 設定変更のステップ(コマンド送信)
以下のコマンドを1つずつコピー&ペーストして送信してください。
ステップ1:ボーレートを 115200 に引き上げる
$PMTK251,115200*1F
※送信した瞬間、画面が文字化けしたり止まったりしますが、通信速度が切り替わった証拠ですので正常です。
ステップ2:TeraTerm側の速度を合わせる [設定] > [シリアルポート] を開き、「スピード」を 115200 に変更して[OK]を押します。再びデータが流れ始めれば成功です。
ステップ3:更新レートを 10Hz にする
$PMTK220,100*2F
データの流れる勢いが劇的に速くなります。
ステップ4:設定を保存する(EEPROM書き込み)
$PMTK311*37
※一部の安価なモジュールでは電源を切るとリセットされる場合がありますが、念のため送信しておきます。
5. ラップタイマー向けの最適化設定
データの転送量を抑え、計測精度を安定させるために不要なデータを間引きます。
出力情報の絞り込み(RMCのみ出力)
$PMTK314,0,1,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0*29衛星の組み合わせ設定(GPS + GLONASS + みちびき 推奨)
$PMTK353,1,1,0,0,1*2A測位精度の向上(DGPS/SBAS有効化)
$PMTK313,1*2E $PMTK301,2*2E測位情報を表示したい(POWERGPS用)
以上の手順で、安価なMediaTek製GPSモジュールを、ハイエンド機に匹敵する「10Hz高精度ロガー」へと変貌させることができます。この10Hz化設定こそが、自作ラップタイマーアプリ「KLAP」の真価を発揮させる鍵となります。
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