バイクにGPSラップタイマーやデジタル水温計、電気式タコメータを取り付けたのに、
- 配線は間違っていない
- 電源も来ている
- センサーも正常
それなのに、
- 表示しない
- 数値がおかしい
- Bluetooth通信が切れる
- タコメータの針が暴れる
といった症状が発生したことはありませんか?
実はその原因、バイクの点火系から発生する「電装ノイズ」かもしれません。
私自身、GPSラップタイマー「KLAP」の開発中や電気式タコメータ製作時に何度もノイズ問題に悩まされました。
今回は実際に経験した事例をもとに、バイクの電装ノイズ対策について解説します。
実際に発生した症状
これまでに経験した主な症状は以下の通りです。
デジタル水温計
- 電源は入るが表示がおかしい
- 数値が異常に高い、または低い
- 表示が不安定になる、表示しない
Bluetooth機器
- DrrogerなどのBluetoothロガーが接続できない
- 接続できても通信が途切れる
- エンジン始動後だけ通信が不安定になる
電気式タコメータ
- 回転数表示が出ない
- 針が大きく暴れる
- 明らかに実際と異なる回転数を表示する
GPSラップタイマー
- GPSは正常なのに計測が不安定
- BLE通信が切断される
- エンジン始動時のみ動作がおかしくなる
共通していたのは、
エンジンを停止した状態では正常動作する
という点でした。
最初に疑った原因
当然ながら、最初は以下を疑いました。
- 電池切れ
- 電源容量不足
- 配線ミス
- センサー不良
- パルス取り出し位置の間違い
しかし、何度確認しても問題は見つかりません。
配線をやり直しても症状は改善せず、原因は別にあると考えました。
実際の原因は点火ノイズだった
原因究明のため、オシロスコープで波形を確認しました。
まず電源ラインを測定しましたが、大きな異常は確認できませんでした。
さらに別電源(バッテリーや電池)を使用しても症状は変わりません。
そこで入力信号側を測定したところ、エンジン始動と同時に大きなノイズが重畳していることを確認できました。
つまり、
電源ではなく、点火系から発生したノイズが信号ラインやBluetooth通信に影響していた
ということです。
最近のGPSラップタイマーやデジタルメーターの多くはマイコンで制御されています。
マイコンは非常に便利な反面、強いノイズの影響を受けると誤動作することがあります。
実際に効果があった対策
1. アースを確実に取る
最も基本的ですが重要な対策です。
例えば電気式タコメータの場合、
CDIパルスを入力するだけでなく、アースも確実に取る必要があります。
車体ハーネスのアースだけでなく、
- CDI付近
- エンジン側
- フレーム側
など複数のアース経路を確認することで改善する場合があります。
2. 抵抗入りプラグ、プラグキャップを使用する
私が最も効果を実感した対策です。
NGKプラグであれば型番に「R」が付くものが抵抗入りプラグです。
例
- BR9ES → 抵抗入り
- B9ES → 抵抗なし
レーシングプラグや抵抗なしプラグを使用すると、強い点火ノイズが発生しやすくなります。
GPSラップタイマーやBluetooth機器を使用する場合は、抵抗入りプラグの使用をおすすめします。
3. プラグキャップを確実に装着する
意外と見落としやすいポイントです。
プラグキャップが完全に差し込まれていなくてもエンジンは始動する場合があります。
しかし隙間があるとリークが発生し、強力なノイズ源になります。
プラグ交換時には確実に奥まで装着されているか確認しましょう。
4. イグニッションコードの劣化確認
古い車両ではイグニッションコードの被覆が劣化していることがあります。
- ヒビ割れ
- 硬化
- 配線露出
が見られる場合は交換を検討しましょう。
高電圧がリークするとノイズ発生の原因になります。
効果が感じられなかった対策
フェライトコア
一般的なノイズ対策として知られています。
私も複数箇所で試しましたが、今回のケースでは大きな効果は感じられませんでした。
アルミホイルや簡易シールド
ネットでは
- アルミホイルを巻く
- 金属チューブで覆う
といった対策も紹介されています。
しかし私の環境では効果は限定的でした。
まずは点火系やアースを見直した方が効果的だと感じています。
まとめ
GPSラップタイマー、Bluetoothロガー、水温計、電気式タコメータが正常に動作しない場合、必ずしも配線ミスとは限りません。
バイクの点火系から発生するノイズが原因になっている場合があります。
私が実際に試した中で特に効果が大きかったのは、
- 抵抗入りプラグを使用する
- アースを確実に取る
- プラグキャップを正しく装着する
- イグニッションコードの劣化を確認する
という基本的な対策でした。
KLAP開発中も何度もノイズ問題に悩まされましたが、最終的には基本に立ち返ることが最も効果的でした。
もし電子機器の誤動作に悩んでいる場合は、ぜひ一度点火系のノイズを疑ってみてください。
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